2024.10.31
伝検通信(メルマガ)週刊メールマガジン「伝検通信」 第30号
週刊メールマガジン「伝検通信」第30号をお届けします。
今号のトップ記事は、京都で行われる伝統工芸の大規模コンペティション(作品コンテスト)の話題です。
「クイズで肩慣らし」は前回クイズの答え・解説と、茶道・和菓子・日本茶分野からの出題です。
11月から実施する2級および3級の第1回伝検の受験申し込みを受け付けています。公式テキスト、2級受験者向けオンライン講座の販売もスタートしています。ぜひお申し込みください。
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目次
・ 伝統文化・産業を未来へ 京都市で大規模コンペ
・ 「クイズで肩慣らし」第30回(茶道・和菓子・日本茶)=「点前」
・ 伝検協会だより
伝統文化・産業を未来へ 京都市で大規模コンペ
京都伝統産業ミュージアムの展示コーナー
日本の「千年の都」として愛される京都。その伝統から紡がれた美と技の世界を紹介する京都伝統産業ミュージアム(京都市左京区)が、日本古来の文化・産業を未来へ伝えることを目的に、新たなコンペティションを開催する。同市で大規模なコンペティションが開かれるのは初めてといい、八田誠治館長 は「全国から若手の職人を幅広く募り、伝統産業をさらに盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
◇伝統素材・技法を活用
新コンペ「TRADITION FOR TOMORROW」では、伝統工芸の手法を生かしつつ、現在の生活様式やニーズに応える作品を募集。全国の芸術系大学、専門学校の学生らを対象とした学生部門と、京都ゆかりの伝統工芸作家、職人ら向けの一般部門を設定した。応募締め切りは11月末。来年2月から同ミュージアムで展示・審査が行われ、グランプリには賞金100万円が贈られる。
八田館長は日本の伝統産業に関して「和の文化、特に『お茶』や『お花』を中心とした日常の中の文化が衰退しているように感じる」と指摘。その上で「伝統的な素材・技法は、保存するだけでなく、それを活用してこそ未来へ継承することができる」とコンペの意義を説明する。
◇担い手育成、外国人も視野
ミュージアムでは、西陣織や京友禅などの染織品から京焼、京漆器といった工芸品まで、伝統産業とその背景を紹介している。伝統的な素材・技法を現代につなげるのが狙いで、コンペに先駆けて、展示コーナー「Tradition Meets Today」を新設、新たな作品づくりに挑戦する若手職人や工房をPRしている。10月には京焼、清水焼や京漆器の職人、作家によるコーヒーカップやマグカップなどを集めた展示・販売会を開いた。
ミュージアムを運営する京都産業振興センターは、京都市のほか、京都商工会議所、地元の地方銀行などが出資する半官半民企業。山本達夫社長は「行政は補助金を出すことができるが、限界がある。事業会社であれば、買い付けも販売も手掛けられる」と強みを生かして伝統産業支援を続ける考え。また、将来の担い手の確保について「京都は伝統産業に興味を持つ若者が集まりやすいので、こうした人材を育てていく。日本のモノづくりに興味を持ってくれる外国人も多く、彼らが突破口になるかもしれない」と語った。
「クイズで肩慣らし」第30回(茶道・和菓子・日本茶)=「点前」
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茶道で抹茶を点(た)てる一連の所作、点前(てまえ)
第30回
問題:茶の湯では、10月も半ばをすぎると「名残(なごり)」という時季を迎え、秋には茶会が多く開催されます。最近よく見かける、テーブルといすを使って行うお茶の点前(てまえ)を何というでしょうか。
(答えと解説は次号で)
六芒星(ろくぼうせい)」の形に見えることから、 魔よけの力があるとされる文様
【前回の問題と答え・解説】
問題:竹かごなどを編んだ編目を意匠化したもので、 江戸時代には浴衣などに用いられていた、 邪気をはらう魔よけの意味を持つ文様を何というでしょうか。
答え:籠目(かごめ)文様
解説:籠目文様は、日本の伝統的な幾何学文様の一つで、その名は竹などで編まれた籠の網目に由来しています。特徴的な六角形の網目が、「六芒星(ろくぼうせい)」の形に見えることから邪気を払い魔よけの力があるとされ、昔の日本の民家には玄関先に竹籠がお守りとして掛けられていました。また、籠という文字は龍に竹をかぶせていることから、籠の中には龍の神秘的な力が宿るともされていました。
伝検協会だより
▼日本の優れた工芸品などを紹介する特別展「日本の芸術的な職人技」がフランス・パリで10月17~20日に開かれました。同展は、仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」を傘下に持つLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が2015年に設立した「LVMHメティエダール」の主催。弊会の賛助会員である三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、開化堂(本店・京都市)の茶筒や、中川木工芸比良工房(滋賀県大津市)主宰の中川周士さんが制作した木製おけの展示で協力しました。日本の伝統文化に関する情報を世界に発信するため、弊会も会員の皆さまと連携して知恵を絞っていきたいと考えています。
編集後記
本通信も気が付けば30回。毎週さまざまな記事や検定試験に向けた肩慣らしのクイズをお届けしてきました。試験開始まで残り1カ月を切りました。伝検サイト「公式教材・参考書」のタブから関連サイトも紹介されています。本通信の過去記事やクイズと併せて、ぜひご覧ください。
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関連タグ: #京都伝統産業ミュージアム #茶会 #籠目文様 #点前