行事やお祝いの日に食べる特別な料理を「行事食」といいます。七夕の行事食は何でしょう。

素麺(そうめん)

古代中国で7月7日に熱病で亡くなった皇子が悪霊となり熱病をはやらせたのを、好物だった「索餅(さくべい)」という菓子を供えて鎮めたという話が日本に伝わり、七夕の儀式に供え物の一つとして索餅が使われたことがルーツといわれています。その後、同じ小麦粉で作られた素麺が食べられるようになり、以来、無病息災を願う七夕の行事食となりました。また「五節句」が「五節供」と言われるのは、神前にお供え物をする節句の風習が由来とされています。

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今号は、「『Sustainable Japan Magazine by The Japan Times』がオススメする、日本の宿泊できる文化財」をお届けします。

「クイズで肩慣らし」は前回クイズの答え・解説と、金工・木漆工分野からの出題です。

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目次

・ 『Sustainable Japan Magazine by The Japan Times』がオススメする、日本の宿泊できる文化財
・ 「クイズで肩慣らし」第11回(金工・木漆工)=「南部風鈴」
・ 伝検協会だより


『Sustainable Japan Magazine by The Japan Times』がオススメする、日本の宿泊できる文化財

ライター:和泉俊史

大洲城の天守は1888年に解体されたが、2004年に木造で復元された。
江戸時代につくられた櫓は、天守の左手前にあるものを含め4つすべて現存し、
国の重要文化財に指定されている。
©VMG HOTELS & UNIQUE VENUES

せっかく旅先で泊まるなら、歴史を感じる文化財の宿に宿泊してみたいもの。しかし、一口に文化財といっても様々なタイプがあるので、ここで日本の文化財制度について、少し解説してみたい。

日本では50年を経過した建物が文化財選定の対象となる。日本では文化財のうち重要なものを「重要文化財」、さらにその中から特に価値の高いものを「国宝」に指定して保護を図っている。国が主体的にその建造物を文化財に「指定」することで、建造物の保存修理や防災設備の設置などを、国の補助事業として行っているのだ。

ただ、日本では第二次大戦後の高度成長期の時代、急激な都市化により、日本全国で、特に近代以降(19世紀~)の建造物が次々と取り壊されていった。このことから、国レベルで重要なものを厳選して指定する制度のみでは、特に近代建築が失われていくスピードに、指定が追いついていないということが課題としてあり、対応を迫られていた。

その対策として1996年に文化財保護法が改正され、従来の文化財「指定」制度に加えて、文化財「登録」制度、いわゆる「登録有形文化財」が創設された。この制度は、より緩やかな規制のもとで貴重な建築に幅広く保護の網をかけることに重点が置かれている。建物の所有者が国(文化庁)に届出を行い、審査の後に文化財として登録され、国の指導・助言などを基本とする緩やかな保護措置が取られるのだ。この制度は、重要なものを厳選し強い規制と手厚い保護を行う、従来の指定制度を補完したものといえるだろう。

登録有形文化財には、2024年4月現在、約1万3000件の建造物が登録されているが、そのうち約100件ほどには実際に宿泊することができる。そこに実際に泊まってみて、文化財の空間と、そこで過ごす時間を、ぜひ体験して欲しい。

Click here to read the article in English

初出:『Sustainable Japan Magazineby The Japan Times』 April 26, 2024

Sustainable Japan Magazineのウェブサイトはこちら

殿様気分で日本の城に泊まれる「大洲城キャッスルステイ」


「クイズで肩慣らし」第11回(金工・木漆工)=「南部風鈴」

~伝検公式テキスト(9月1日刊行予定)のジャンルごとに出題します~

写真/南部鉄風鈴

第11回
問題:高く澄んだ音が特徴の「南部風鈴」は、岩手県の代表的な工芸品。ホームに飾られた風鈴の音色が「残したい日本の音風景100選」にも選ばれ、夏の観光名所となっている駅はどこでしょう。

【前回の答えと解説】
問題:日本の紬(つむぎ)は、ある沖縄の離島に中国の養蚕技術が持ち込まれたことにより発達し、その後沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝えられ、各地に広まりました。その島はどこでしょう。

答え:久米島(くめじま)

解説:久米島紬(くめじまつむぎ)は、15世紀後半に、「堂之比屋(どうのひや)」という人物が、久米島に中国の養蚕技術を持ち帰ったことが起源とされています。久米島紬の特徴は、糸紡ぎから織りの全工程を一貫して1人の織子(おりこ)が手作業で行なうこと。染料には久米島の植物や泥を使い、織りは手投杼(てなげひ)を用いて丹念に手織りで織り上げます。それにより、久米島紬独特のしなやかな風合いと、素朴であたたかみある紬に仕上がります。


伝検協会だより

▼9月1日の発売に向けて、伝検公式テキストは取りまとめ作業が急ピッチで進んでいます。文章と画像の監修は武蔵野美術大学の木田拓也(きだ・たくや)教授。東京国立近代美術館を経て、同大の先生になられており、専門は近代工芸史・デザイン史です。また、テキストは「陶磁器・ガラス」「芸能」といった8ジャンルを、さらに細かく18の小ジャンルに分けています。例えば、「芸能」は「歌舞伎」「能楽」「文楽」の三つに分かれます。それぞれの小ジャンルについては、大学の教授ら専門家の皆さんに執筆をお願いしています。

版元となる時事通信出版局のサイトにも書誌情報が掲載されました。ここからネット書店の予約ページに移動できますので、ぜひご覧ください。

公式テキスト
https://bookpub.jiji.com/book/b648563.html

▼「『和』を知る・『和』を楽しむ・『和』を伝える 日本のスペシャリストになろう!」という伝検のキャッチフレーズに、北海道在住の方から「当地で発信すべき伝統文化はアイヌ文化。和人の伝統だけが強調されているようで若干違和感がある」とのご指摘を受けました。事務局一同、ハッとしました。東京で物事を考えているだけでは見逃しがちな視点だったからです。言うまでもありませんが、「和」は日本の別名として使っているにすぎず、大和民族の文化などという狭量な考えは毛頭ありません。アイヌや琉球の文化も含めた日本の伝統をいかに守り、発展させていくか。伝検がその一翼を担うことができれば光栄です。今後はパンフレットやウェブサイトでも、この点を補足しておく予定です。貴重なご指摘に感謝します。


編集後記

伝検通信第11号をお届けしました。公式テキスト、私も早く手に取って読みたいです。オンライン書店ではなく、お近くの書店から注文いただく際は、書籍のISBNコード「9784788719804」を、書店員さんにお伝えください。送料無料で書店に届きます。