805年に中国から茶の種を持ち帰り栽培した留学僧は誰でしょう。

最澄

日吉大社(滋賀県大津市)に伝わる「日吉社神道秘密記」によると、遣唐使として唐で仏教や大陸文化を学んだ最澄が805年に唐より茶の種を持ち帰り、比叡山の麓(現在の滋賀県大津市)に植えて栽培したという。現在でも日本最古の茶園「日吉茶園」として存続しており、毎年八十八夜には「茶摘祭」が行われ、日吉大社と延暦寺に新茶が献じられています。

「和」を知る・「和」を楽しむ・「和」を伝える日本のスペシャリストになろう!

近藤宙時=日本伝統文化検定協会理事

日本の伝統文化を知ることは、日本を知ることです。日本を知ることは、日本人にとっては自分が世界に出た時の強みを知ることにつながります。外国人にとっても、「自然との共生」という根源的なサステナブル性を知ることは、今の時代、とても有意義なことであると思います。

日本の伝統文化の最大の特徴は、何と言ってもその気候風土からくる、自然への想い、接し方です。砂漠や草一つ生えていない急峻な山々など、ともすれば人を拒否するような表情を持つ大陸の自然と異なり、日本には砂漠もなく(鳥取砂丘は人が保護しないと消えてしまいます)、多くの山々は「山の幸」という言葉が示すように人に優しい存在です。

日本人にとって自然は、時に猛威を振るい、人を脅かすことはあっても、基本的には母のように優しい、そして敬うべき存在であり、決して対抗するべき存在ではありません。幸を与えてくれる山や海だけなく、草木一本一本、自然の生み出したあらゆるものに対する親しみの心、敬う気持ちが日本の伝統文化の底流に流れ続け、圧倒的な個性を生み出してきました。

そのため、日本の伝統文化には自然が巧みに取り入れられてきましたし、日本の絵画や陶磁器、漆器に描かれる自然はどこか優しく、親しみを感じさせるものです。

生産過程はもちろんのこと、使う段階から廃棄の段階に至ってもあくまでサステナブルな日本の伝統工芸を、欧米ブラントを求める日本人にはもちろん、世界の人に知ってもらい、一つでも多く使ってもらいたいと思います。

例えば、棕櫚帚(シュロほうき)という日本の掃除道具があります。これを一つ買って使ってみると、生活自体に自然が与えてくれる潤いが生まれます。棕櫚帚を使う時の音、あるいは棕櫚の鼻をくすぐる爽やかな香りが生活を豊かにしてくれます。

やがて、棕櫚帚にビニールなどの工業製品のゴミを処理させるのはかわいそうに思えてきて、いつの間にかその手のゴミが減って生活全体のサステナブル性が高まっていくのを感じるでしょう。日本の伝統文化、そしてそれを学ぶことは、深い所で地球の危機を救うものを持っているのです。