合格者インタビュー

「伝統文化の語り部に」―ボイメンの本田剛文さんが2級合格

本田剛文さん

「BOYS AND MEN」(ボーイズアンドメン)

東海地方を拠点に活動をする男性グループ「BOYS AND MEN」(ボーイズアンドメン、通称ボイメン)のメンバー、本田剛文(ほんだたかふみ)さんが第1回日本伝統文化検定(伝検)の2級(マスター)に合格、インタビューに応じました。実家は江戸時代から続く老舗仕出し料理屋。ご自身は西川流日本舞踊を習って「名古屋をどり」の舞台にも立つなど、伝統文化への関心を深めてきたそうです。伝検の2級合格を機に「伝統文化の語り部を目指します。日本文化の美しさ、素晴らしさを若い人や海外の人に伝えたい」と、力強く語ってくれました。主なやりとりは以下の通りです。

どうして伝検を受験しようと思ったのですか。

ここ3年、「名古屋をどり」の公演に出させていただき、それをきっかけに日本文化の面白さを知りました。「なんて奥が深くて美しい世界なんだろう」と。同時に伝統文化は敷居の高いものだと勝手に思い込んでいたことにも気づかされ、この敷居の高さを下げて、伝統的なカルチャーの面白さを皆さんに知ってもらうために、僕の仕事だったら何かお手伝いができるじゃないかという気持ちになりました。そのためには知識をつけなきゃ始まらないというのが、検定を受けたきっかけです。

受験に向けてどんな準備をしましたか。

公式テキストを購入して読んでみて、伝統文化の知識のバリューパックになっている、全部に大事なところが詰まっている、オールラウンダーになろうと思ったらまずこのテキストだなって思い、本当にテキストをかなり重視して勉強しました。

テキスト以外での学習はしましたか。

僕の場合は芸能の得点が9割以上取れたのですが、仕事で学んだことが生きた気がします。また、実物を見るのが大事だと思い、例えば、地元の名古屋刀剣博物館に行って、刃物の部分よりも、こしらえの部分をフォーカスして見ました。漆を使ったアート的な部分もあれば金属を加工する部分もあり、伝統工芸に関してはかなりの要素が詰まっていますね。テレビ番組のロケで行った美濃焼の幸兵衛窯(岐阜県多治見市)でもいろいろ見せていただきました。例えば、志野や織部は言葉の上では覚えたものの、「これがそれかあ」と何か自分の中でピースがはまった感じでした。

伝検の試験はコンピューターを使うCBT方式。受けた感想はいかがでしたか。

まず第1に、日程的な自由度が高いのがありがたかったです。自分のように、土日祝日が休みじゃない人にとっては狙った日程で受けられるのは、とても助かります。パソコンを使っての検定は初めての体験でしたが、何がいいって結果が出るのが爆発的に速い。その場で合否が出ると、もうその日から次の学びに歩みを進められます。

伝検マスターとしての抱負を聞かせてください。

エンタメに携わるお仕事でファンや一般の方に僕の言葉を直接聞いてもらう場面も多いので、やはり語り部になっていくことはすごく大事かなと思っています。僕は陶磁器に関しても、ガラスに関しても専門家でありませんが、2級を取らせてもらったことで、かなり守備範囲広くいろんな学びをできました。若い人に「伝統文化ってこんなに面白くてすてきなんだ」というのを知ってもらうための入り口になる語りをしていきたいというのが目標です。もちろん、1級(実施時期未定)も取りたいと思います。また、今年3月までNHKで英語の教育テレビ番組をやらせてもらったので(「キソ英語を学んでみたら世界とつながった。」にレギュラー出演)、海外の人にも日本文化の美しさ、素晴らしさを語れるだけの英語力をつけていきたいという野望みたいなものがあります。

最後に、これから受験される方にアドバイスと激励をお願いします。

勉強となるとしんどくなるかもしれませんが、伝検で学ぶことは皆さんが今まで使ってきたお茶わんとか、何気なくテレビなどで見ていたものとかの答え合わせになるような検定だと思います。学びの中で何か目から鱗(うろこ)が落ちたり、「それってそうだったんだ」と膝を打つ瞬間だったりを楽しんで臨んでもらえたらと思います。

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