「和」を知る・「和」を楽しむ・「和」を伝える日本のスペシャリストになろう!
小学館発行の雑誌「サライ」2024年12月号に伝検が紹介されました。
その中で出題されたクイズの答えとその解説を掲載いたします。
Q1 備前焼(びぜんやき)のこの模様は何と呼ばれているか?
正解:④火襷(ひだすき)
岡山県で生産される備前焼は釉薬を使わずに窯変によって模様を作ります。代表的な窯変である火襷は藁を巻いて焼成することで藁の成分が付着して薄赤茶色の襷がかかったような模様になります。
Q2 国指定重要無形文化財ならびにユネスコ無形文化遺産で、通気性に富み、サラリとした着心地が特徴で、苧麻(ちょま)を原料とする平織りの麻織物は?
正解:②越後上布(えちごじょうふ)
新潟県の魚沼地方で生産される越後上布はシャリ感のあるサラリとした着心地で夏物で最上級の麻織物です。冬の終わりに長く降り積もった雪上に織布を1週間から10日ほど置いて漂白する雪晒しを行います。強い撚りをかけた緯糸で織り、湯もみして独特のシボを生じさせた小千谷縮(おじやちぢみ)とともに国の重要文化財とユネスコ無形文化遺産に登録されています。
Q3 日本の金工品の代表的な技法のひとつ「鍛金(たんきん)」の説明にあたるものはどれか?
正解:②金属板を槌でたたいて形づくる技法
金属の展延性を利用して押し広げたり伸ばしたりします。別名、打ちものや鎚金とも呼ばれており、一度はどこかで見たことがある代表的な金工の技法です。
Q4 日本の伝統色には、藍で染められた色名が多い。淡い青色を指す色名で、水色に近いごく薄い藍色を指す、写真の色名はどれか?
正解:②甕覗(かめのぞき)
藍染は布や糸を藍甕(あいがめ)に浸けて取り出すことを何度も繰り返して濃く染めていくのですが、甕を少し覗いた程度に浸しただけという意味で付けられた色名です。ただし、比喩的な表現であり、実際に甕覗の色に染めるためには、藍の液を作ってから時間が経った使い込まれた液でないと染めることが難しく、薄い色をきれいに無地で染めるのには経験と技術と多くの時間が必要になります。また、甕に張られた水に映った空の色を人が覗き見た色という説もある面白い色名です。
Q5 日本の食生活に欠かせない砂糖は江戸時代に、西洋や中国などより貿易で流入し、「シュガーロード(砂糖の道)」と呼ばれる街道から全国に広がった。その街道の名前とは?
正解:①長崎街道
1571年にポルトガル船との貿易のために長崎港が開港されて、様々な食材やスパイスとともに砂糖がもたらされました。その長崎と福岡小倉間(228㎞)を結ぶのが長崎街道で街道沿いの地域はカステラ饅頭や瓦煎餅といった西洋(ポルトガルやオランダ)や中国の影響を受けた他地域では見られない独自の菓子文化が発展していきました。
クイズは楽しんでいただけましたか?興味を持った方はぜひ本番の検定試験にも挑戦していただければと思います。