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週刊メールマガジン「伝検通信」第24号をお届けします。

今号のトップ記事は、日本で最大級のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」内で、工芸品が展示・販売されている話題です。

「クイズで肩慣らし」は前回クイズの答え・解説と、芸能分野からの出題です。

11月から実施する2級および3級の第1回伝検の受験申込受付が、あす20日(金)午前10時に始まります。公式テキストもこの日に刊行され、2級受験者向けオンライン講座の販売もスタートします。

ぜひお申し込みください。

伝検サイト https://denken-test.jp/


目次

・ 飛鳥Ⅱ、クルーズで工芸家支援=「動く洋上美術館」、地方創生の一助にも=
・ 「クイズで肩慣らし」第24回(芸能)=「人形浄瑠璃文楽」
・ 伝検協会だより


飛鳥Ⅱ、クルーズで工芸家支援=「動く洋上美術館」、地方創生の一助にも=

写真上/高松港に停泊する大型客船「飛鳥Ⅱ」=高松市
写真下/「飛鳥Ⅱ」船内に展示される人間国宝・十四代今泉今右衛門さんの有田焼の絵皿

日本で最大級のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」。豪華な設備のみならず、美術館並みの工芸作品が展示され、販売も行われている。1000人を超える乗客や乗組員が地方を訪れれば経済的な恩恵も大きい。同船を保有・運航する郵船クルーズは「各地の工芸作品や工芸作家とお客さまを結ぶことが、日本の伝統文化の継承・発展や寄港地の地方創生につながっていく」と強調する。 

◇船内に100点以上の工芸作品 

飛鳥Ⅱは総トン数約5万トン、全長240メートルと、日本船籍で最大規模を誇り、12階建ての巨大な船内には、400以上の客室、複数のショップやレストランのほか、劇場、プール、露天風呂まで備えている。その中でも目を引くのが、船内の至る所に並ぶ工芸作品。さながら「動く洋上美術館」だ。 

郵船クルーズは2021年に、重要無形文化財保持者(人間国宝)が数多く所属する公益社団法人「日本工芸会」と連携。船内のレセプションカウンターやエレベーターホール、レストランなどに、100点以上の工芸作品を展示している。クルーズ客はそこかしこでこれらの作品を楽しめるだけでなく、気に入ったものがあれば購入することも可能だ。 

◇乗客と地域の出会い促進

飛鳥Ⅱのクルーズには、資産家や経営者らも含め800人以上の乗客が一度に集う。こうした場を利用して、日本の伝統文化を発信するとともに、作品の販売などを通して工芸作家を支援する場をつくり上げた。人間国宝の陶芸家、十四代今泉今右衛門さんの紫陽花(あじさい)と宇宙空間をイメージした有田焼の絵皿を8月に購入した70代の男性は「乗船前からパンフレットを見て気になっていたが、実物を見て直感的に買うことを決めた。刺し身などの料理をのせてみたい」とほほ笑んだ。 

生活様式の変化に伴う需要減や、担い手の高齢化、後継者不足による伝統産業の衰退は全国共通の悩み。飛鳥Ⅱは、寄港地で工芸作家の窯元を訪れる観光ツアーを実施したり、地元食材を利用した料理を提供したりすることで、地域活性化への寄与も目指す。郵船クルーズは「ご当地ならではの体験はクルーズの大きな魅力の一つ。地域振興のためにも、お客さまと寄港地の人々の出会いや交流の場をさらに広げたい」としている。


「クイズで肩慣らし」第24回(芸能)=「人形浄瑠璃文楽」

~伝検公式テキスト(9月20日先行発売予定)のジャンルごとに出題します~

「曽根崎心中」の登場人物、お初と徳兵衛

第24回
問題:近松門左衛門作の人形浄瑠璃「曽根崎心中」は江戸時代の実話を元にしています。そのゆかりの地として「お初天神」の通称で知られている大阪市の神社はどこでしょう。
(答えと解説は次号で)


美しい色や形の干菓子「和三盆」

【前回の問題と答え・解説】
問題:秋の行事として、旧暦8月15日の中秋の名月「十五夜」のお月見が有名ですが、昔は十五夜と同様に大切にされていた「( )夜」というお月見の日がありました。( )に入る漢数字は何でしょうか。

答え:十三

解説:中秋の名月「十五夜」(旧暦8月15日)から約1カ月後の「十三夜」(旧暦9月13日)は、十五夜に次いで美しい月といわれ、昔からお月見の対象となっていました。十五夜と十三夜を合わせて「二夜の月(ふたよのつき)」と呼び、十五夜に月の神様に豊作を願い、十三夜には稲作の収穫に感謝しながらお月見をしました。どちらか一方しかお月見をしないことを「片見月(かたみつき)」と言い、縁起がよくないともされていました。 国立天文台によると、2024年の十五夜は9月17日、十三夜は10月15日です。


伝検協会だより

伝検協会が受験勉強のためにお薦めする参考書(ウェブサイト)に「伝統色のいろは」 が加わりました。カラーコーディネーターであるkokaさんが運営するサイトで、日本の伝統色497色の意味や名前の由来、歴史が紹介されています。「日本人の美の心が生み出した色とその色名をぜひお楽しみください」とkokaさん。伝統色に対する想いが伝わるサイトです。

伝統色のいろは
https://irocore.com/


編集後記
伝検通信第24号をお届けしました。伝検テキストが出来上がり、これから受験申し込みが始まります。伝検サイトでもさまざまな情報提供をしています。ぜひご覧ください。