秋の夕暮れ時に青い空と日暮れの赤が混じる空の色は何と呼ばれているでしょう。

紅掛空色(べにかけそらいろ)

うっすらと赤みを帯びた淡い空色が「紅掛空色」です。夕暮れ時に、青い空と夕日の赤が混ざり合った色で、藍で下染めした空色の上から紅花を重ねて染める染色法から名付けられました。このほかにも、夜が明け太陽で白み始める空を「曙色(あけぼのいろ)」、晴天の澄んだ空を「天色(あまいろ)」、夕方のほの暗い空を「瞑色(めいしょく)」と呼ぶ表現もあり、季節や時間の移ろいを踏まえ、美しい日本語で空の色を表しています。

「和」を知る・「和」を楽しむ・「和」を伝える日本のスペシャリストになろう!

このたび、一般社団法人日本伝統文化検定協会の会長という大役を仰せつかりました。

近年、日本は観光デスティネーションとして最も注目される国の一つになり、世界中で日本発のコンテンツが愛されています。歴史と伝統があり、それにとらわれることなく新しいものを生み出す力が、そういった評価につながっていると思います。

日本の外に出ると、多くの「日本ファン」に出会います。そしてよく勉強された方にお目にかかり、自分の無知を恥じることがいかに多いことか。

高度経済成長期に生まれ、海外で育ち、クリエーターとして仕事をしてきた私は、伝統とはおおよそ離れた場所にいました。しかし多くの神社仏閣、芸能、工芸などとの縁が深い家に生まれたこともあり、自然と伝統に触れ、さまざまな体験をする中で、ご先祖さまに恩返しをしなければ、という意識は常に持っています。海外で長い時間を過ごした日本人の一人として、われわれが誇るべき伝統をきちんと理解し、少しでも多くの日本人が言語を選ばずに伝えることができるようになる一助になればと思っております。

伝統文化の勉強は得てして入り口が狭く、長い時間がかかります。しかし、その素晴らしさに触れたり、興味を持つきっかけがあったりすれば、楽しみながら学ぶことができるのではないでしょうか。日本伝統文化検定を通じて、そのきっかけをつくり、皆さまと一緒に勉強をしていきたいと思っております。どうかよろしくお願い致します。

一般社団法人日本伝統文化検定協会会長 近衞忠大

株式会社curioswitch 代表取締役/クリエイティブ・ディレクター
宮内庁 式部職 宮中歌会始 講師